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ーーーー進路について悩み、その末に並河さんが見つけた悔いなく生きるヒントとはーーーー

ゲストプロフィール

並河哲次

大阪府箕面市出身。北野高校を卒業後、京都大学農学部に進学する。大学卒業後、25歳で市議会議員に選出される。そして、およそ6年半議員を務めた。現在は議員を務めていたときにはじめた子ども・若者向けの私設図書館「Youth Libraryえんがわ」の運営を行っている。

ーー中学時代までを教えてください。

音楽サークルのライブでギターを弾くスミスさん。観客のいるライブに出演するほどの腕前だそう。

生きものを捕まえては飼っていた小学生時代

昔はすごくまじめなタイプでしたね。夏休み初日に宿題の計画を立てて、毎日まんべんなく勉強して7月中に終わらせてしまうような(笑)また、小さいころから生きものが好きで、アリやバッタ、魚など、いろんな生き物を捕まえて育てていた記憶があります。中学生のときも、ドングリを拾ってきて木を育てようとしたりしていましたよ。

親は教育熱心な方だったような気がしますが、塾などを強制される感じではありませんでした。ただ、習い事として水泳を小学3年生まで、ピアノを小学5年生まで続けました。運動があまり得意な方ではなかったうえ、どちらもやらされていた感じだったので、やめてからは全くやらなくなってしまいましたね。

中学は、少しやんちゃな学校に通っていました。タバコを吸ったりバイクを乗り回したりしている友達がいましたね。今振り返ると、いろんな人がいて面白い環境だったなと思います。とはいえ、全員が全員荒れていたわけではなかったので、僕は小学生のときと同じようにまじめに勉強していました。テストは、「全部100点目指すぞ」とゲーム感覚で取り組んでいました。

小学生のときに友達とバスケで遊んでいて楽しかったので、部活はバスケ部を選びました。運動は苦手でしたが、球技は好きだったんです。

ーー高校生活はどうでしたか。

音楽サークルのライブでギターを弾くスミスさん。観客のいるライブに出演するほどの腕前だそう。

勉強中の高校時代

高校を選ぶにあたって、農学校なども見ていたのですが、「勉強ができるんだから、とりあえず進学校にいけ!」という感じで先生に勧められ、公立の進学校だった北野高校を選びました。入ってみると、「ガムが廊下に落ちてない!何このクリーンな学校!」とすごく驚いたのを覚えています(笑)

 高校でもバスケ部に入りました。しかし、ほぼ毎日休みなく勉強と部活を頑張っていたということもあって、次第に「自分の時間がほしいな」と思うようになったんです。木を植えに行きたいなあ、みたいに(笑)そうしたこともあり、ある日何かが弾けるように無断で部活を休み、後に辞めてしまいました。やめてからは、再放送のドラマを見ていたりもしましたね(笑)ただ、勉強はまじめにやっていました。

ーー大学時代はどうでしたか

環境について学びたいと思って、京都大学の農学部を受験し、合格することができました。でも、合格発表のときに自分の受験番号を見つけても全然嬉しくなかったんです。これには、自分でも驚きました。高校で、自分のやりたいことを追求できていなかったから、合格したときにもやりたいことがクリアになっておらず、喜べなかったんだと思います。しかも、大学に入ってから、通っている学部が自分の興味ともずれていることに気付きました。そのため、授業にはあまり力をいれないで単位だけきちんととっていました。

ーーー課外活動はどうでしたか

音楽サークルのライブでギターを弾くスミスさん。観客のいるライブに出演するほどの腕前だそう。

自転車でカナダを横断

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自然が好きだったので、ラフティングや登山、キャンプなどができるアウトドアサークルに入りました。野宿も経験して、「人ってどこでも寝られるんだな」と知りました(笑)

大学3年生のとき、サークルの人がよくやっていた「海外一人旅」を自分もやってみようと思い立ち、カナダを自転車で横断しようと決めました。先輩がユーラシア大陸を自転車で横断していたのに憧れたんです。距離がおよそ5000㎞あったので、だいたい1日100㎞の計算で2カ月くらいで行こうかなと思っていましたが、それが甘くて(笑)次の日の疲労感などを考えて、休みの日を作る必要があることに気付いたんですよね。結局、1日当たり150㎞走って55日くらいで完走しました。

旅に出るまでは、こうしてカナダを自転車で横断すれば何かが変わると期待していたのですが、結果として何も変わらないということに気が付いて、「あれ?」という気持ちになりました。ただ、話のネタが1つできたので、それは良かったです(笑)

 大学4年くらいから進路に悩み始め、4年の後期から休学することを決めました。そのなかでアートイベントの手伝いをしたり、ラフティングのインストラクターをしたりと、様々な経験をしました。山奥で農業を営みながら子どもたちと触れ合うような、自然に寄り添って過ごす夫婦のもとに住み込ませてもらったりもしました。そうして多くの人と出会うことで、自分のやりたいことをすればいいんだということに気づいたんです。それまでは就職をしないということに不安を感じていたのですが、自分の選択肢が就職しないことによって狭まることはないと気づいたんです。例えば、自分のキャリアを認めてくれない、新卒採用しかしていない企業には、おそらく惹かれないですよね。就職したかったらすればいい、そう思うようになったんです。

ーーー大学を卒業したあとについて教えてください

音楽サークルのライブでギターを弾くスミスさん。観客のいるライブに出演するほどの腕前だそう。

25歳で初出馬したとき

卒業した後は、就職をしないで田舎で暮らしていました。米や麦を作ったりして。こんな選択肢もあるんだということを発見して、得意げな気持ちでしたよ(笑)こうした生活もあるということを伝えるために、友達を呼んだり、子ども向けのキャンプ企画をしたりしました。また、「就活にモヤッとする人へ」と題して、いろんなキャリアの人を呼んで話を聞くイベントを開催したりもしました。

 そうして、25歳のとき、議員選に出馬することを決めました。進路に悩んだ経験から教育に関心があって、議員になれば学校に口出しできたりするんじゃないかという気持ちで、ダメもとで選挙に出たんですね。どうやって出馬するのかも知らなかったので、本を買って調べたりもしました。その結果、当選できました。当時は「やっちまったな」という気持ちや、驚きがとても大きかったのを覚えています。

 議員になって最初のころは、東日本大震災や紀伊半島大水害と天災があいついだ時期でした。その被害を目の当たりにし、市役所の動き次第で市民の生死が左右されると実感しました。それと同時に、議員である自分が背負うものの大きさを感じました。ただ、いかに市がだめかということをダイレクトに感じられる経験であり、緊急事態の圧縮された時間で一気に多くのことを学ぶことができたという点で、自分にとって非常に大きな経験でもありました。そうした中で市長のやり方に違和感を覚え、当選することこそできませんでしたが、市長選に出馬したりもしました。

音楽サークルのライブでギターを弾くスミスさん。観客のいるライブに出演するほどの腕前だそう。

こうして、6年半ほど政治にコミットしてきて、自分自身ものすごく鍛えられたと感じています。町の人すべてに責任感が湧き、億単位の予算を動かすことの責任感も養われました。自分の器を大きくできた経験だったと思います。しかし、それほど町を変えることはできなかったなという気持ちもあります。議員は口ばっかりになりがちで、あまり提案が実現しなかったんですよね。

そうした思いがあり、議員をやっている途中で、小さくても自分が関われる場所、そして子供や若い人が気づきを得られる場所を作れたらいいなと思うようになり、「Youth Libraryえんがわ」を立ちあげました。ここは、放課後の小中学生や高校生、旅をしている大学生がふらっと立ち寄れる場所で、やってみたいことを自由にできる「秘密基地」のような場所です。また、世界遺産が近くにありにぎわっていたので、最近もう一軒新しい宿の「神倉書斎」をオープンしたんですよ。

これからも、若者のやりたいことを応援したり、キャリアを一緒に考えたりする活動を続けていけたらと思っています。

音楽サークルのライブでギターを弾くスミスさん。観客のいるライブに出演するほどの腕前だそう。

えんがわの前でインターン生と

ーー今までやっていてよかったことや、やっておけばよかったことはありますか?

まず、やってよかったことは、自分がこうしたいからこうする、というのを続けてきたことだと思います。人に言われたから、とか社会的にどうとかではなく、自分がやりたいことをやってきたから、後悔なく生きて来られたのかなと思いますね。やっておけばよかったことは、しっかりと目標を立ててそれにむけて取り組む、ということでしょうか。周りを見ていると、社会起業などで、本当に社会を変えていっている人たちがいますよね。そうした人たちを見ると、自分がそんなに世の中を変えられていないなという感覚に陥ることがあるんです。

ーー最後に、並河さんにとって「人生」とは?

友人を訪ねる新婚旅行

この問いについては、最近やっと考えるようになりました。人生が有限だという意識が芽生えてきたからでしょうか。というのも、パートナーが医師で、終末期医療にかかわっているため、死というものがとても近くにあるんです。ご遺族や患者さんの話が入ってくるようになったので、より死や人生について考えるようになりました。

私は、人生を悔いなく生きるということが大事だと思います。悔いを残さないように人生をどう生きるか、それが重要なんだと思います。

オンラインでインタビューを受けていただきました!

この記事を読んで、みなさんはどう思いましたか?

並河さんは、進路に悩んだ経験から教育に関心を持ち、市議会議員として務めたり、そこでの経験から若い人たちが気づきを得られる場所を作ろうと、「Youth Library えんがわ」を立ちあげたりしてきました。そんな並河さんは、人生を悔いなく生きることが大事だといいます。みなさんも、悔いのない人生を歩むためにできることを考えてみてはどうでしょう?